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2023.11.21

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遠野ホップ栽培60周年記念式典の開催

2023年は岩手県遠野市でホップ栽培が始まって60周年。2023年11月6日には、遠野ホップ栽培60周年記念式典が開催されました。式典の様子をご紹介します。

主催者挨拶

遠野ホップ農業協同組合 代表理事 組合長 安部純平様

記念式典は、主催者である遠野ホップ農業協同組合の組合長 安部純平様の挨拶から始まります。台風被害、農家の減少、異常気象への対応など様々な困難に一緒に立ち向かい、支えてくれているキリンビール株式会社、遠野市、共済組合、関係者・関係機関、ふるさと納税を通じて応援してくれている全国の皆様への感謝が述べられました。また、70年、80年、そして100周年を目指したいという抱負も語られました。

祝辞

来賓の方々を代表して、遠野市長の多田一彦様、キリンビール株式会社 代表取締役 堀口英樹様(代理 キリンビール株式会社 企画部主幹 大谷哲司様)よりご祝辞をいただきました。

遠野市長 多田一彦様

遠野市長 多田一彦様からは、60年の歴史の中でホップを支える仲間と遠野を愛してくれるファンの皆様と共に常に挑戦を続けてきたこと、農業の現場だけでなく「ビールの里構想」として遠野市全体の街づくりにまで発展していることが述べられ、関係者への感謝も伝えられました。また、昨年度にはビールの里構想を応援してくれる全国の方から、ふるさと納税を通じて4000万以上の寄付金が集まり、乾燥施設の改修などの栽培基盤の強化が今年から始まることが報告されました。

キリンビール株式会社 企画部主幹 大谷哲司様

キリンビール株式会社 代表取締役 堀口英樹様(代理 キリンビール株式会社 企画部主幹 大谷哲司様)からは、長い歴史の中で高品質なホップの安定的な供給を通じてキリンビールの醸造を支えていただいていること、遠野産ホップを使用した一番搾りとれたてホップ生ビールは今年で20周年を迎えたこと、ムラカミセブンなどの新品種ホップの栽培によって商品開発にも関わっていただいていることについて、遠野ホップ農業協同組合、遠野市、地域プレイヤーの方々への感謝が伝えられました。また、これからも日本産ホップを使用した独自の価値ある商品の生産を続けていきたいという抱負も語られました。

記念品の贈呈

記念品の贈呈

遠野ホップ栽培60周年を記念して、TKプロジェクト実行委員会からは、60周年記念手ぬぐい、記念グラス、「HOP FARMER」ブランドの帽子が生産者に贈呈されました。

ビールの里プロジェクトについての概要説明

ビールの里構想の総合的なプロデュースを担当する株式会社BrewGoodの代表取締役 田村淳一より、ビールの里構想のこれまでとこれからについてプレゼンテーションを行いました。遠野市でのホップ栽培の始まりから「ホップの里からビールの里へ」を合言葉にした街づくりにまで発展した歴史や、栽培現場の課題解決の進捗、未来の展望などが共有されました。

株式会社BrewGood 代表取締役 田村淳一からのプレゼンテーション

若手農家のスピーチ

最後に、次の10年、その先の100年を目指して、遠野のホップ栽培を支える若手農家からのスピーチが行われました。若手農家を代表したのは、遠野ホップ農業協同組合 理事 副組合長 薮内慎也様です。

遠野ホップ農業協同組合 理事 副組合長 薮内慎也様

薮内様のスピーチ内容を以下に掲載します。



ただいまご紹介に預かりました薮内と申します。若手農家を代表してお話しさせていただきます。

まず初めに、本日は大変お忙しい中ホップ栽培60周年記念式典にご列席くださり、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。

実はこの挨拶の原稿を考えるにあたり、今から30年前のホップ栽培30周年記念誌に少し目を通したのですが、そこには若かりし頃の安部組合長が青年部理事長として、挨拶文を載せていました。ちょうど30年前は平成の米騒動となった歴史的な冷害の年で、ホップ栽培においても、大変厳しい年だったそうです。しかし、そんな逆境にも負けず、むしろチャンスに変えていこうという大変前向きな内容で正直はっとさせられました。

というのも、近年はコロナ禍に始まり、戦争や物価高、温暖化による被害など、先の見通せない状況が続いています。自身の経営においても今年はホップ栽培を始めて以来、一番の不作でした。しかし、前向きな姿勢を忘れず、どんな難しいことも必ず打開策はあると信じてやっていけと、30年前の組合長に激励されたように感じました。

現在、私を含め、6名の新規就農者がいます。皆、農業経験はほとんどないにもかかわらず、就農し、農業経営を行なっています。これは、60年間のホップ栽培の知見や栽培技術を惜しみなくご指導くださる先輩農家の皆さんのおかげであり、また本日ご列席くだださった皆様の手厚いご支援、サポートの賜物だと思います。本当にありがとうございます。

そして、来年には先ほどの話にもありました通り、4名のホップ農家を目指す若者が遠野に来ると聞いています。今度はサポートする側として、少しでも彼らの助けになれればと思います。その連鎖がまた次の10年、20年へと繋がっていくと信じております。

サポートする側になると言えどまだまだ未熟な私たちですので、今後ともより一層のご指導、ご鞭撻の方をお願い申し上げます。簡単ですが、若手農家の挨拶とさせていただきます。ご清聴どうもありがとうございました。

記念撮影

最後はホップ農家、関係者、来賓の皆様で記念撮影を行いました。

遠野ホップ栽培60周年記念写真

一番搾りとれたてホップ 初飲み会の開催

遠野ホップ栽培60周年記念式典の後は、一般の参加者や関係者の皆様と共に「一番搾りとれたてホップ生ビール 初飲み会」を開催。初飲み会とは、ホップの生産地である岩手県遠野市で、一番搾りとれたてホップ生ビールの発売日前日に開催されるイベントです。ホップ農家やキリンビール、関係者、一般参加者の皆さんと一緒に、今年の一番搾りとれたてホップの完成を祝い、互いに感謝を伝える場です。

ホップ農家の皆さんが壇上に上がって乾杯でスタート
一番搾りとれたてホップの完成と発売をお祝いしました
ホップにちなんだ商品の開発やビアツーリズム、イベントを手がけている団体が遠野市に売上の一部を寄付。団体の代表者が壇上に上がり、寄付採納式を開催しました。
上閉伊酒造からは遠野ホップ60周年記念ビールの売り上げの一部が遠野ホップ農業協同組合に寄付されました。

今年は様々なイベントを通して、遠野ホップ栽培60周年をお祝いすることができました。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。私たちは、この先も遠野市でホップ栽培を続けられるよう、引き続き関係者で力を合わせ、挑戦を続けていきます。これからも応援のほどよろしくお願いいたします。

文:田村淳一(株式会社BrewGood)
写真:ayumu kitada

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