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2022.09.05

  • プロジェクト

私たちが目指すビジョンについて

ビールの味の決め手といわれる、ホップ。岩手県遠野市は日本随一のホップ生産地として、半世紀以上にわたりホップ栽培を続けています。

遠野市で取り組んでいるビールの里プロジェクトとは、持続可能な日本産ホップ栽培によって地域を活性化し、ホップの魅力を活用しながら官民一体となって未来のまちづくりに挑戦するものです。

最近では、ビールの里プロジェクトの一環として、「TONO Japan Hop Country」というブランドを立ち上げました。TONO Japan Hop Countryは、ホップとビールを軸にした遠野らしいビアツーリズムを広めていくことを目的としています。

ここでは、私たちがビールの里プロジェクトやTONO Japan Hop Countryというブランドを通じて、遠野市でどのようなことをしようとしているのかをご紹介します。

持続可能なホップ栽培の実現を目指す

私たちの活動は、衰退するホップ農業を守りたいという思いから始まりました。そして、ホップ農業を守るだけでなく、地域を活性化し、未来につなげたいという思いを持って活動しています。

現在、遠野市では、ホップ農家の高齢化や後継者不足によって、ホップ生産量・生産面積はピーク時の6分の1まで減少しています。そのため、次世代の若手ホップ農家となる新規就農者を募集してきました。その新規就農者に対してベテラン農家の皆さんが栽培技術を教えるなど、温かくサポートしてくれています。

ただ、新規就農者は増えていますが、栽培現場には課題がまだまだたくさんあります。ホップの栽培・加工に必要な設備は老朽化しており、いつまで稼働できるかわかりません。古い設備は手がかかる上に、ホップ農家の減少によって農家1軒当たりの負担も増えています。また、持続可能なホップ栽培を実現するためには、栽培効率の改善などにも取り組まなければなりません。

応援してくれる仲間を増やすためのビアツーリズム

ビールの里プロジェクトをもっと前に進めていくためには、できるだけ多くの方に遠野市での取り組みを知ってもらい、一緒に課題解決を進めていく応援者・仲間を増やすことが必要です。

そのために、私たちはビアツーリズムを推進しています。実際にホップ畑を案内し、そこで楽しい体験をしてもらう。そしてこの体験や光景が当たり前に続いていくものではないことを伝えていく。そうすることで、ホップや地域の課題が身近になり、応援者・仲間が増えていくと考えています。

また、観光客が増えることで、地域経済の活性化にもつながります。ホップやビールをきっかけに遠野市を訪れた人が、地域の他の魅力にも気づいてもらう機会も増やしていきたいと思っています。

ふるさと納税を活用した支援の仕組み

ビアツーリズムに参加できなくても、ふるさと納税の仕組みを活用し、遠野市の活動を応援することができます。ふるさと納税で遠野市に寄附をする際、寄附先に「ビールの里プロジェクト」を指定することで、直接的にホップ農家やビールの里プロジェクトへの支援ができるようになりました。

ふるさと納税の返礼品は遠野市で採れたものや、それを原材料として使用したものです。私たちの活動を広く発信し、ふるさと納税の寄附を集めることは、地域事業者の支援にもつながっています。

遠野市の農業や美しい里山の風景を守る

私たちがサポートしたいのはホップ農家だけではありません。遠野市ではたくさんの農家がおいしい作物を作ってくれています。遠野市にとって農業は大切な産業なのです。

そして、ビアツーリズムを推進することが遠野市の農業を支えることにもなると考えています。ビアツーリズムの楽しみのひとつは「食」です。ビールと遠野市の食材を合わせて味わったり、野菜などの食材をお土産として買って帰ったり。ビアツーリズムで遠野市の食材を使った「食」の提案をしていけば、地産地消が実現できますし、遠野市の食材の魅力にも気づいてもらえるでしょう。

私たちは、永遠の日本の故郷ともいわれ、四季によって表情を変える遠野市の里山の美しい風景が大好きです。田んぼがある風景も、そこで暮らす農家の日々の営みによって維持されています。農業をはじめとした一次産業を支えることは、里山の美しい風景を守ることにもつながります。

遠野市の未来を共に創る関係に

私たちが推進するビアツーリズムは、今後、もっと遠野市の農業に触れたり、そこで暮らしている人々と交流できる内容を増やしたいと思っています。観光で訪れた方と遠野市の人々との関係性も育んでいきたいと考えています。

また、ビアツーリズムには、ホップ栽培や遠野市に還元する寄附金が費用に含まれているツアーもあります。私たちは皆さんと、この素晴らしい遠野を一緒に守り、楽しい体験を分かち合う関係でいたいと考えています。

創造するプロセスが地域のコミュニティを強くする

農家の支援やビアツーリズムのコンテンツ開発、商品企画、イベントの開催など、ビールの里プロジェクトの活動は多岐にわたります。遠野市民や、時には遠野市外の人も混じり合って、アイディアを出し合い、それぞれの創造性を発揮しながら少しずつ形にしています。

地域のことを考える時間が増え、実際に課題解決につながっていくプロセスがあることで、地域への誇りが醸成されていきます。それは、地域のコミュニティを強くすることにもなるはずです。

私たちの挑戦は続く

私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。農業が持続可能になり、まちにはホップとビールを楽しめるコンテンツが増えていくことを目指しています。

例えば、今市内に2つある醸造所に加えて、もうひとつの醸造所を立ち上げる計画もあります。醸造家も、農家も、研究者も、市民も観光客もビール造りに関わることができる新しい醸造所。実現したら、ホップとビールがもっと身近になるはずです。

ビールの里プロジェクトを進めていく上では大変なこともたくさんありますが、さまざまな人と協力しながら、課題を乗り越え、少しずつ実現していきます。

ビールの里プロジェクトを実現させるため、ぜひ私たちの仲間になってください。仲間になって一緒に活動することで、皆さんの人生が楽しく豊かなものになれば嬉しいです。いつか遠野市のビールを片手に、遠野市の食材を楽しみながら、夢やアイディアを語り合いましょう。私たちはその日が来るのを楽しみにしています。

文:田村淳一(BrewGood)
イラスト:イソガイヒトヒサ
校正:富江弘幸

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