NEWS
ニュース
ホップの灰を活用したビアグラス「グラスホップ」が誕生
ホップの収穫後に不要になった蔓(つる)を燃やし、その灰をガラスに熔かしてつくられた特別なビアグラスが誕生しました。「グラスホップ(Glass Hop)」と名付けられたこのグラスは、ホップの灰によって薄緑色や水色に。ビールがお好きな方はもちろん、贈り物としても喜ばれるひと品です。
つくり手は遠野市のガラス工房「Glass Farm MANZO」
つくり手は、2020年の冬に岩手県遠野市に移住したガラス作家の吉岡星(せい)さん。遠野市は妻である佐々木ちえ子さんの出身地であり、ふたりでガラス作家として活動しています。
ふたりはかねてから遠野に自分たちの工房を作りたいという思いがあり、2021年春にちえ子さんのご実家の休耕地に念願の工房「Glass Farm MANZO」を建設。「半農半硝」というコンセプトを掲げ、「農業×ガラス工芸」というスタイルの新たな暮らしをスタートしました。土を耕し農作物を育むように作られるガラス作品たちは、遠野の風土をたっぷり吸いこんだものばかりです。
吉岡星さんは主に、酒器やグラス、花瓶などを中心に製作されています。特に日本酒の酒器は独特の質感が特徴で、その手触りや造形美に魅せられたファンや愛用者は全国にたくさんいます。
土地からガラスの個性を生み出す
岩手県遠野市は1963年からホップの栽培が続けられている、日本随一のホップ生産地。吉岡星さんは、遠野への移住を決めた時から遠野らしい作品づくりとしてホップに着目。遠野に工房を構えたら、ホップを熔かした作品をつくってみたいと考えていました。
陶器は、その土地の土を使うことで、全国各地様々な個性が生まれています。一方、ガラス製品の多くは原材料のほとんどを輸入に頼っており、その土地の個性を感じられる作品は多くありません。
陶芸で使われる釉薬(ゆうやく:陶磁器の表面に使われるガラス質のうわぐすり)の成分は主にガラス。陶芸ではこの釉薬に植物の灰や鉱物などを混ぜ合わせて色や質感を出しますが、ガラス作品にもその土地ならではの材料を混ぜ合わせることで個性を出せるのではと、吉岡星さんは考えました。
アサ科のつる性多年草植物のホップは、ビール造りに欠かすことのできない重要な原材料で、ビールに華やかな香りと爽やかな苦味をもたらしてくれます。ビールに使用されるのは毬花の部分。
5m以上の高さまで伸びる蔓は、通常、収穫後に廃棄されます。今回は、遠野ならではの素材として、この蔓を燃やしてできた灰を使用しました。
ホップの灰を使い、製作過程の様々な条件(炉の温度や金属成分量など)の違いによって、ガラスは薄緑色や水色に変化しました。この灰の活用により、ガラスに気泡や、溶け残った収穫時の土などが入ることもあり、それも土地の個性として楽しめるものになっています。手づくりであり、色も変化するため、一つとして同じものがありません。
製作風景
一つ一つ丁寧につくられるグラス。製作風景を少しご紹介します。
ヴェロワール(Verroir) プロジェクトについて
吉岡星さんは、その土地の素材からガラスの個性を生み出す挑戦を、2017年頃から実験的にスタートさせていました。間伐材の薪を燃やした灰や、酒造りで出た酒粕、浜の砂を熔かしたものなど様々です。
作品づくりのプロジェクト名である「ヴェロワール(Verroir)」とは、ワインが好きな人なら一度は耳にしたことがある、風土や土地の個性を意味する「テロワール(Terroir)」という言葉と、フランス語でガラスを意味する「ヴェール(Verre)」を融合させた造語。
「ヴェロワール(Verroir)」は、「土地から生まれるガラスの個性」を表現する言葉です。
今回、プロジェクトの第一弾として遠野市のホップの灰を熔かしたグラス製作を行いましたが、今後は岩手県内の市町村をはじめ、日本各地の素材を使用したガラスづくりに広げていくといった壮大な構想も描いています。
ガラスは半永久的に変化しない素材。その土地ならではのものをガラスに閉じ込め、手に取れる形にすることで、遠い記憶や想い出、まだ見ぬ風景を感じてもらうことができるのではないでしょうか。
「グラスホップ(Glass Hop)」商品情報
■内容量・サイズ
ビアグラス 1個
高さ:約9.5cm
直径:約8cm
容量:約300ml
■製造地:日本(遠野市)
■原材料:ソーダガラス・ホップの灰
■注意事項/その他
・耐熱ガラスではありませんので、急激な温度差を与えると割れることがあります。
・電子レンジやオーブン等での使用はできません。
・食器洗い洗浄機は使わないでください。
・本品は手作りガラスのため、色合いや、大きさなど多少のばらつきがございます。
・ガラスの中に気泡や、灰や土の熔け残りが混じることがあります。
・自然のものですので、風合いとしてご理解ください。
・グラスの色は選ぶことはできません。
ふるさと納税返礼品として数量限定で出品中
現在、遠野市のふるさと納税の返礼品として数量限定で出品をしております。下記よりご確認ください。
ふるさと納税で遠野市のホップ栽培を支援
遠野市へふるさと納税で寄付する際に、寄付先を「ビールの里プロジェクト」に指定いただくと、寄付金の一部が栽培現場の課題解決や持続可能なホップ栽培の実現に活用されます。遠野のホップを守る活動に参加いただけると嬉しいです。
グラスホップ(Glass Hop)
企画・製作:Glass Farm MANZO 吉岡星
プロジェクトディレクション:BrewGood 上西尚宏、田村淳一
パッケージデザイン:のはら 阿部拓也
※記事内の文章や画像を転載する場合には こちらより事前にお問い合わせください。
おすすめ記事
Featured Articles
CONTACT
お問い合わせ
プロジェクトについてご賛同いただき仲間になっていただける方からのお問い合わせや、取材・メディア掲載、ツアー内容、新規就農、移住についてのお問い合わせはこちらよりご連絡ください。